一本目
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見世物小屋-旅の芸人・人間ポンプ一座- |
監督:北村皆雄 2005年製作
ドキュメンタリー。
2005年製作って書いてあるけどおそらくDVD化orソフト化が2005年なんだとおもう。
この一座の座長の安田里美さんという方が1995年に亡くなられていて、また服装などから80年代後半〜90年代前半にとったものだと思われます。お化け屋敷の口上のおばあさんがまだ若かったし。
と思ってぐぐったら撮影は安田さんが亡くなる7ヶ月前に行われたものらしい。
映像は、安田さんのお葬式のシーンからはじまります。
この安田里美さんについては、見世物学会(http://misemonogakkai.web.fc2.com/)の理事をしていらっしゃる鵜飼正樹さんが本にもまとめていらっしゃいます。
私はおそらくこの世代には珍しく、毎年お祭りに見世物小屋(お化け屋敷)が巡業に来る地域に住んでいました。
なので、仮設巡業というのはそこまで自分の中で珍しい!という意味で強烈なインパクトをもつものではなかったのですけれど、世間的には全然そんなことはなく、今現在活動している興行社は2つしかないわけでして。
この映像では、子供がわいわいと見世物小屋にはいっていく光景がおさめられていましたが、数年前にわたしが靖国のみたままつりにいったときは、生活圏とはいいがたい土地柄とかもあるのでしょうが、どうも「物好きの大人が見に来ました」っていう感じの客層でしたし、ここ20年でまたさらに見世物小屋のありかたがだいぶちがってきたのではないかなぁと。
映像自体の話にもどりますと、基本というか映像の大部分は見世物小屋の演目をそのままおさえたものなんですが、インタビューが非常に良い。特に親方の奥様。
座長自身も生まれつきアルビノで弱視(盲目?)なのですが、見世物小屋はそういった存在の救済であり、忌まれることもある人々がまれびとになる場所でもあるとおもったのであった…。
それを見る人にも上から目線であるがゆえの救済があるよね、うまく言えないけど。
神様が穢れを払う存在であるなら彼らは穢れを吸い取るような存在であると思う…。
映像では、見世物の合間合間に、見世物小屋の外でおこなわれているお祭り(秩父夜祭りです)の山車やら花火が二項対立的なカットではいるんだけど、そういうことなのかなーと思ったよ。
4歳から先代の興行社の一員であるという話などを聞くと、やはりそういった悲哀とは切って離せないテーマであるとは思うのだけど、そういった面でクローズアップせず、作り手が芸・また見世物小屋という事象そのものに敬意をはらっていることが端々からうかがえる作品だと思う。また貴重な資料でしょう。
このまとめが興味深い:見世物小屋に入った事ある奴いる?(http://occult4cica.blog50.fc2.com/blog-entry-171.html)
二本目
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カッコーの巣の上で |
監督:ミロス・フォアマン 1975年製作
いわずとしれた名作というやつか。
ヒーロー的人物が(何か当人に問題があるにせよ)、大きな権力と戦って、映画が進行するにつれてすわ勝利か!と思う展開をみせつつも、そうではない、というプロット。
この手の作品は見たあともうそれは本当にべっこり凹んでお腹いたくなるんですけどいい作品が多いですよね…。
分かりやすい二項対立ものは「これは社会の縮図を表している」といわれることがとっても多くて、これもまぁそういわれてるんだけど、私はそういう要素とかは割とどうでもよくて、ラストのために全てがあるなぁとおもうわけです…。チーフの人生だ…。
まぁそのへんの感じ方に関しては私がいかにちゃらんぽらんと生きているかということだろうね。
パッケージやその他レビューにも「無気力な患者達を解放しようとする主人公」っていう風にかかれているけど、別にそうではないとおもうんだよなぁ私は…。
テーマの重さに対して、キャラクターを上手く利用して意識的に軽い進行にしているのがうかがえる。あと後半のカメラワークが特に良いとおもいました。
エンダ、ロボトミーで思い出したんだけども、確かそのへんのテーマのせいで単行本に収録されていないブラックジャックの話があったとおもうんですよ。近々国会図書館に。
そんなかんじで、カッコーショックでまだお腹がいたい。
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